S様との出逢い。2013年の春、HPより資料請求の問い合わせメールが来ました。 送付してからしばらく音沙汰なし。2013.7 再び問い合わせがあり、見積依頼がありました。その時に、大工が社員であるか。設計から施工まですべてやっているのかの確認がありました。2013.9 一度会いたいとお願いしたところ、9月に事務所にお越しいただきました。その時に、どんな家に住みたいのかなどお聞きすることができ、今後はメールにてプランの調整をしていく方向に決まりました。 |
プランニングをメールでやりとりすることが初めてだったので、どのようにお客様の気持ちを引き出していくか難しかったです。また実際にお住まいになるお母様とではなく、息子様とのやり取りでしたので、さらに難しかった記憶があります。2階が3部屋欲しい理由がわからず、何度も聞いた記憶があります。また、薪ストーブの設置位置等のこだわりもあり、イメージ画像等もいただきました。こちらからプランを送るときは、直接会って説明するようにすべて言葉で書き、図面にもメモを入れて何度も確認して送信していました。土地に関してもこちらで調べさせていただき、心配なことがあり何度もメールにてやりとりしました。最終的には金額的なことも含め、やはり一度お会いして自分たちの考えをご説明すべきと思い東京のご自宅に出向き、正直に現状をお話し、お見積もりも提示し、悔いのないようにご説明させていただきました。この時の見積もりは、ご希望額に沿った金額で当社でできる範囲のプランとお見積もりでした。自分たちは東京へ行き、ご説明をさせていただき、こちらの考えを聞いていただき、出来ることはすべてやったという気持ちでした。そしてこのあともう一度改めてプランニングをスタートさせました。 |
その後プランが行ったり来たりしていく中で、少しづつお客様の考えていることがわかり、玄関の位置がそぐわないことが分かり、プラン全体を訂正。最終的には最初に書いたプラントはまったく違うものになりました。また、眺望を大切にされていたので、現場にて色々な箇所から写真を撮り、配置は入念に打ち合わせしました。ご希望の位置だと木が邪魔していて眺望が良くないとか、こちらで思ったことは、写真添付しながらメールでやり取りしました。結局配置は実際に現場で打ち合わせができなかったのでとても心配でした。プラン以上に配置が一番心配な点でした。 |
2014.4上旬 大黒柱の伐採。雪解けを待って、木が水分を吸い始める前にどうしても大黒柱の伐採に立ち会っていただきたいと思いご連絡しました。東京の息子様御夫妻に都合をつけていただき、須坂市にて伐採。東京では山に入ることもなかなかないですし、ましてや自宅に使われる大黒柱を伐採するのをご見学いただく機会はないので、本当に喜んでいただけました。この時に設計契約もかわしました。製材シーンはこちらで動画に納めお送りしました。2014.4末 本契約。福島のお母様の仮設住宅まで行かせていただきました。 お施主様は申し訳ないとおっしゃっていましたが、大切な契約ですからこちらが行くのが当然と思い、行かせていただきました。結果、福島でのお話や実際の様子等も見ることができましたし、やはり仮設住宅は長期にわたって住むことは、ストレスが溜まるということも理解できましたし、はやくお客様のご満足頂けるお住まいを造らなければと改めて感じました。 |
2014.7建前 福島のお母様、東京の息子様のご都合がなかなか合わず、6月に予定していた建前が伸びて7月上旬に。とても暑い中でしたが無事に終了。今後いつ会えるかわからないので、この時に内装材等も決めました。余談ですが、この暑い中の建前で、お施主様にご準備いただいた冷やしタオル(氷水にタオルを入れて軽く絞って職人さんが体を冷やす。)が大好評で、今後夏の建前では必須になりそうです。すばらしいお知恵だと思いました。ありがとうございました。建前から完成までの4ヶ月間は、近くにアパートを借りました。青木村は事務所から1時間30分ほどかかり、毎日大工が通勤するにはちょっと厳しい条件でしたので、その分の費用をいただきました。こちらの物件の大工さんは当社店主が行きました。 |
一人暮らしはとても大変だったらしく、(とくに食事。)最初はいろいろやらかしたようです。週末に自宅に戻るので、会社での打ち合わせやお客様との打ち合わせはなるべく週末か月曜日に設定させていただきました。また、材料を運搬するときは、必ずアパートの掃除、食事を作って帰るのが日課でした。なかなか私もできない体験でしたが、今思えばとても楽しい運搬でした。細かな造作の話になりますが、例えば押し入れの中段の高さとか、ポールの位置、カップボードのコンセントの位置などがどうしたらいいか悩みました。ご連絡しても「お任せします。」と言われます。近くの現場なら、お客様と現場でお話できることができないということに戸惑いました。 |
結局なるべくその部分は後回しにして、どうしてももう一度現場で打ち合わせできないかとご無理を言って、現場に来ていただきました。こういう小さな部分こそが打ち合わせがとても必要な部分だということに今更ながらに気づかされました。やはり、今まで出来ていたその小さな打ち合わせがなかなかできないということは、とても大変なことなのですね。あの時は、ご無理を言ってしまい申し訳ございませんでした。 |
その後完成し、無事にお引渡ししました。お施主様とお会いする機会は本当に少なかったですが、喜んでいただけた姿を見た時に、本当にこの住まいづくりに参加させていただいてよかったと思いました。また、心に残る1軒となりました。 |
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