御代田の話し 〜その5〜
今日は手刻みについて書こうと思います。
当社では手刻みにこだわりをもっています。
手刻みとは??
構造材を大工さん達が墨つけをし、1本1本手で刻むことをいいます。
前章でも少し書きましたが、最近の世の中の主流はプレカットです。
機械でどんどん刻んでいきます。
効率的且つ現代的ですね。
自分が大工として15年が経ちますが、年に数回建前の応援に行くことがあります。
他の現場についてとやかく言うつもりはありませんが、普段自社の建前は手刻みであるのに対し、プレカットの現場の建前は、構造材を組んでいっても、ガサガサ揺れるのです。
これ、結構怖いんですよ。
手刻みの建前は、そういった揺れはほとんど感じません。
この違いは何か??
手刻みはその住宅の組み方・材の大きさごとにホゾの長さを変えているのです。
ホゾとは横架材と柱との接合部をいいます。
このホゾを場所ごとに変えることで、耐久性が増し、ねじれにくくさせます。
自然の木は生き物です。
だから、もちろん動きます。
当社では、自然乾燥材を使用しているので、強制乾燥材よりは、やはり材の動きを考えなくてはなりません。
自然乾燥=手刻み
こういったことになるかと思います。
昔からある神社仏閣もすべて当時の職人が手刻みで造っています。
地震があっても今まで現存するという事は、本当に当時の職人さんの技術のすばらしさがあるのではないでしょうか?
今は、金物を沢山使い、それに頼った家づくりになっていますが、当時は金物なんてなかったのです。
何を使ったか?
金物の代わりに木を使い(込み栓)、クサビを打ったり・・・
すべて木を使っているのです。
金物を否定するわけではありません。
でも、古き良き技術を科学的に証明することができれば、これは現代の住宅に取り入れることができるのではないか・・・と思います。
そこで当社は1年前、込み栓の実験をしました。
その結果はまた次回書くことにします。(御代田の話しはいずこへ・・・)
つづく